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阿修羅像

仏の教化によって迷いから目ざめた瞬間
阿修羅像正面この優しい面持ちの阿修羅像は、本来の阿修羅王は、この像から想像するような優美な神ではありませんでした。
 古代インド神話の阿修羅王は、帝釈天を向こうに廻して、荒々しい合戦を繰り返す悪神で、容貌醜怪な札付きの外道とされています。
興福寺の阿修羅像は、この神が釈迦の教化によって仏法の守護神となった姿で、天界を暴れ廻る鬼神のイメージはありません。

しかしこの像をよく見ると、例えば、やや眉根を寄せた悲しげにも見える表情の奥に、何か激しいものが秘められているように思えます。

 この神秘な表情は、荒々しい心が仏の教化によって迷いから目ざめ、愁眉を開きつつある顔付きだといわれています。

まさにその通りで、恐ろしい顔から浄化された顔へと移り行く過渡期の表情を、見事に表現しています。

一般に仏像は、男でも女でも無いそうです。
特にこの阿修羅像は、少年か少女のような清純な優しい顔になっています。
また、子供から大人になっていく途中ともいわれています。
しかし、清純はともかく、やさしいと言うのは正確ではないようです。


阿修羅像
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